大人の治療について

治療のご案内

大人の治療

一般歯科 当院は子どもだけでなく大人の治療も行っています。子どもの治療も難しいのですが、大人の治療も難しいです。難しくなる原因としては

1.乳歯より永久歯の方がサイズが大きく削る量が大きくなり単純に時間がかかる。
2.患者さん自身の生活背景(性別、年齢、性格、好きな食べ物、仕事の内容などなど)が様々である。
3.歯のないところを補う治療(欠損補綴)が出てくる。
4.子どもに比べ歯を使っている期間が長くなるので本人の習慣や癖が口の中に現れる。
5.乳歯が脱落して以降は、一生同じ歯を使い続けなくてはならない。
6.抜歯したらもう生えて来ることもない。
7.子どもより口の中の細菌数が多い。

こういった要素をすべて踏まえて治療計画を立てる必要があります。同じような口の中の状態でも、人が違えば当然生活背景が違うのでそれは全く別の症例です。それら一つ一つに対しその人に合った計画を立てていくのは、学校のテストのように正解が定められているわけでも、ましてや誰かに教えてもらえるわけでもないため、非常に難易度の高い問題です。
では、治療計画の立案に関して大事なものはなんでしょうか?わたしたちがこれまでの経験で最も大事と考えるのは、“事前の患者さんと歯科医師間の意見のすり合わせ”つまりカウンセリングです。これに勝るものはありません。近年、どこの歯科医院のホームページでも丁寧な説明を心がけていますと言う文言をよく見かけるようになりましたが、当院のカウンセリングは決して一方的に説明するだけではありません。患者さんにはレントゲンの見方から教え、わたしたちの見立てを理解してもらえるように懇切丁寧に説明し対話をします。説明に関してよくわからない点や治療するにあたってのご希望があればなんでもお伝えください。お互いにとって一番悲しいのは、最初に「ああ言っておけば良かったのに。。。」と後悔が残ってしまうことです。対話を大事にする当院では可能な限り丁寧に説明を行いますので、納得行くまで話し合って、あなたにしかない治療計画を作っていきましょう!

歯周病の治療

 当院は歯周病の治療を非常に重要と捉えています。そもそも歯周病の学問はハミガキの仕方やプラークコントロールの学問であるため、歯医者の基礎の基礎です。わたしたちがどれだけうまく治療をしたとしてもここがダメだと一気にまた悪くなっていきます。どれだけ頑丈な家を建てても元の土台となる地盤がしっかりしていないと簡単に倒れてしまうのと全く同じです。

小児歯科 歯磨きが悪いとまずは歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、歯肉から出血してきます。これを「歯肉炎」といいます。それがさらに進行すると歯肉の下で歯を支えている骨や歯の周りの組織を破壊していきます。これが歯周病で、痛みがなく慢性的に進行することが多いです。こういった出血や歯肉が腫れた歯肉炎や歯周病の状態では、たとえ虫歯や被せ物、入れ歯などの治療をやろうとしてもどうしてもキレイにできません。
 歯周病の治療はまずは歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)の深さや歯の揺れなどを検査し病状を把握します。その後は歯石とりをし、再度検査をします。それでも病状が進んでいる深い歯周ポケットは内部を掃除し、再び検査することで治療効果を判定します。歯周病が安定するまでこう言った検査と治療を繰り返し行い、場合によっては外科処置をして口の中を掃除しやすい環境に整えることもできます。
歯周病が安定したのを確認したら3月に1度のメインテナンスに移行し、ここまで来ると一安心です。最後に、治療全般に言えることなのですが治療は患者さんと歯科医師の共同作業です。日々のハミガキをおろそかにせず一生懸命に頑張りましょう。わたしたちもお手伝いさせてください!

虫歯の治療

インプラント 虫歯(齲蝕)の治療は、まさに歯医者といえばこれ!と言うイメージではないでしょうか。単に削って詰めるだけと思ってはいけません。できるだけ歯の中の神経を取らないで済むよう気をつけながら、また材料を詰めた後も心地よく噛めるように、と考え事は尽きません。当院では歯の隣り合う面に虫歯が進んでしまった歯も、可能な限り白い材料(コンポジットレジン)を使用します。保険診療で使える材料です。
この写真は当院で行った奥歯の治療ですがいかがでしょうか。治療途中の写真ではZooという特殊な装置を用いて治療中に唾液が入りづらいようにしています。それによって詰め物の脱落リスクが減少します。虫歯ができてしまった、銀歯の詰め物を白くしたいという方はぜひご相談ください。

*この写真は治療した患者さんに承諾を得て掲載しています。

歯の中の治療



 虫歯が進みすぎて歯の神経まで達した場合やさらに進んで歯の根の先を越えて周りの骨を溶かしてしまうことがあります。そうなった場合は歯の中の治療(根管治療)が必要となります。歯の中を掃除して超音波や薬剤を使用して歯の根の内部をキレイにします。治療の性質上やむを得ないのですが、治る期間を要し回数もかかります。この治療が終わらないことには詰め物や被せ物をしたりといった噛む機能を回復させる治療に進めません。その一方で、ここの詰めが甘いと後々根の先の病気が再発してしまうので手を抜くわけにはいかない治療です。当院ではこの治療に関して日本歯科保存学会の認定医が在籍しております。普段は大学で学生さんや研修医の先生たちに教鞭を執っている先生です。お気軽にご相談ください。

被せ物の治療

 
 歯が大きく無くなったり、歯の中の治療が終わった歯はなくなった箇所を補うために被せ物をする必要があります。被せる前に土台となる材料が必要なケースが多く前歯に対しては前面に白い材料を張り付けた金属冠で、臼歯は主に金属冠が適応となります。また、自費のものに比べ強度と適応範囲は劣りますが保険診療の範囲で白い材料を使うこともできます。歯のない箇所の両隣の歯を削れば橋渡しの歯(ブリッジ)を入れることもできます。
 治療の性質上型取りが必要になるので、削って型取りをする日とできあがったものを装着する日の最低2日はかかってしまいます。また、型取りには歯周病の一連の治療が終わって歯肉の炎症が落ち着き、出血や腫れのないきれいな状態で行わないといけません。ハミガキを頑張ってスムーズに型取りに入れるよう頑張りましょう!

入れ歯

予防歯科 歯のない箇所が多くなってくる、2本以上の歯が連続して無いといった状況になると入れ歯による治療が行われることが多いです。実は1本歯がないだけでも入れ歯は作ることができますし、すべての歯が無い場合も入れ歯を作ることができます。概ね、1つの入れ歯を作るには型取り、咬み合わせの記録、試し合わせ、完成といった4つのステップが必要になります。また、入れ歯を作るときは他の虫歯や被せ物を終えて作ることになります。そのため1つの入れ歯を作るだけでもどこの歯を入れ歯の金具を支える歯にするか、入れ歯の床をどこまで伸ばすか、咬み合わせをどう設定するか、そこに至るまでの治療順序をどうするかといった具合で考えることは多岐に渡ります。
 上で説明したブリッジもそうなのですが、歯のないところの治療(欠損補綴)というのは計画性を持ってやらないと、治療途中で噛むところがなくなってしまったという事態になり得るためいつも難しいなと思います。その反面、計画を立てて順調に歯ができていき最後の入れ歯までたどり着いたときには、1つの作品を作り上げたような感覚があり大きな達成感があります。

インプラント治療


 インプラントは失った歯を補う治療の1つです。前述のブリッジや入れ歯といった方法もありますが、両者とはまた別物です。ブリッジは無くなった歯の隣を大きく削る必要が出てきます。そのため歯にかかる負担は大きいと言えます。入れ歯は取り外しができ手入れがしやすく、歯を削る量もブリッジに比べ遥かに少なくできますが、噛み心地はどうしても劣ります。
 インプラントは骨にインプラント体を埋入し、それに上部構造を装着させることで失った歯を補うことができます。ブリッジのように周囲の歯を削る必要がなく、入れ歯では到底敵わない噛み心地を楽しむことができます。その一方で、通常抜歯後6か月待ってから治療が開始され、インプラント体埋入後も3か月は骨と結合する(オッセオインテグレーション)のを待たなくてはなりません。そのため治療期間が長くかかりやすいといった欠点もあります。自費診療になるため費用も決して安くはありません。また、インプラント自体は虫歯にはなりませんが、メインテナンスを怠ると歯周病にはなってしまいます。これをインプラント周囲炎といい、埋入したインプラントが脱落する原因となっています。更に意外に思われる方も多いですが、残った歯の本数や噛み合わせによってはインプラントよりも入れ歯の方が有利になることもあります。このようにインプラント治療はブリッジや入れ歯に比べ優れている面もありますが、決して万能ではありません。しかし,適切な使用法、タイミングで施術すればブリッジや入れ歯では敵わないような大きな治療効果を得ることができます。当院では怖くないようにしっかり説明し、安全に治療を受けてもらえるよう沢山の工夫があります。是非一度ご相談ください。

口腔外科

 口の中全般の手術についてです。最も有名なのは抜歯だと思います。「抜歯は水物」という言葉が歯医者同士の間ではあるのですが、手を付けて見るまで真の難易度はわからず、やってみたら思ったより簡単だった、難しかったというのはよくあります。外科処置なので処置当日から3日くらいまではどうしても腫れが出てしまい、そこをピークに下がって行きます。下記の歯科用CTの項目でも少し出てきますが、深くに埋まっている親知らず、特に下顎の骨の内部にある、太い神経・血管の入っているトンネルと根の先が接しているようなものは、歯科用CT撮影をして位置関係を調べた方が良いでしょう。抜歯手術中に損傷し痺れが出るリスクがあるからです。また、当院では口腔外科専門医の先生をお呼びしていますので、難度の高い外科処置をしてもらうことも可能です。まずはご自分の状態がどんな状況か知るために是非お越しください!

歯科用CT

 当院自慢の設備の1つです。歯を1本単位で撮影できるCTで、通常の医科用の頭部CTと違い狭い照射範囲による高い分解能(解像度)と少被曝を実現しています。歯科医院で撮影するレントゲン写真は基本的には影絵のようなものなので歯や骨、神経や血管などの三次元的なそれぞれの配置はわかりません。また、レントゲン上で、ぱっと見ただけでは全く異常がなさそうでも歯科用CTを撮影したら実はレントゲンでは映りにくい向きで骨がなくなっていたということも多いです。この歯科用CTですが近年そのニーズは増していますが、導入している医院はまだまだ少ないです。当院では主に子どもの歯の生える向きの異常、深い親知らずと大きい血管や神経の位置関係の精査、顎の骨が大きく無くなってしまっている歯、歯の内部の根管治療を行ってもなかなか痛みが引かない歯などのケースで撮影をしています。これらは保険適用で撮影ができますし、なによりも私たち目線で撮影してよかったなと思うケースばかりです。また、インプラント治療においてインプラントの埋入方向を確認する際も必須になります。わざわざ大学病院などの大きい施設に行かずとも歯科用CT撮影ができるのは当院の大きな特徴の1つです!